ラッセル「一生懸命働くことが素晴らしい訳がない。労働は人生を破壊する!」

というテーマで話していきたいと思います。

 

みなさんは一生懸命働いているでしょうか?私たちは一生懸命に働く人に対して「素晴らしい」だとか「かっこいい」といった、ポジティブなイメージを持つ人が多いと思うんですが、1900年頃に活躍したイギリスの哲学者のバートランド・ラッセルという方によると

「働き者が素晴らしいというのは奴隷の道徳だ。」

というものがあって、我々日本人からしたらちょっと何言ってるのか分からないと思ってしまうようなことを言ってるんですが、これは一体どういったことなんでしょうか?

働くこと=美徳は本当なのか?

まず、私たちがなぜ「働くのは良いことだ」と思ってしまっているのかというと、それは「支配者に植え付けられた価値観だ」ということをラッセルは言ってるんですね。ラッセル曰く、

「労働を義務とする価値観は、支配者が民衆を効率よく働かせるために作り出したものだ。」

ということで、私たちが働けば働くほどだれが一番得をするのかというと、それは支配者であり、働き者を褒める価値観は昔から支配者が労働者を働かせるために作ったルールにすぎないのだ。ということで、このことをラッセルは「奴隷の道徳」と言っています。

一日4時間労働で十分!

さらにラッセルは、

「まともな組織があれば、人間が生きるために必要な労働時間は一日4時間で十分だ。」

といったことを言っていて、「いやいや、そんなの無理だろ!」と思ってしまいがちなんですが、彼曰く、

産業革命やテクノロジーの進化で、私たちの仕事の大部分は機械に任せられるようになった。その結果、人間が生活に必要なものを生産するのに必要な労働時間は大幅に減少した。それにも関わらず、なぜ私たちはいまだに長時間働いているのか?

とのことで、本当は長時間働く必要なんてないのに、「働くのは良いことだ」という価値観に縛られているせいで長時間働いている。テクノロジーで空いた時間は新しい仕事で埋めるのではなく、もっと自由に使うべきだ。ということを主張しているんですね。

余暇が文明を発展させる

さらにラッセルは、

「暇な時間こそが社会や個人を豊かにする」

と考えていました。

 

暇があれば、私たちは趣味、学問、創作活動といった活動に時間を使うことができて、これによって新しいアイデアや発明が生まれ、社会や個人が豊かになるということだそうです。

 

縄文時代の日本人も一日4時間程度しか働いていなかったと言われていて、それでも彼らは豊かな文化を築いてきたので現代はもちろんのこと、テクノロジーが発展していない太古の昔でも「暇こそが文明を発展させてきた」のかもしれないですね。

労働が生活の質を損ねている

またラッセルは、「労働は生活の質を損ねる」ということも言っていて、「長時間労働は人々の生活を圧迫し、自由や創造性を奪う」と主張しました。

 

労働時間が長ければ、自分の好奇心を追求したり、家族や友人と過ごす時間が減少して、その結果、人生そのものの幸福度が低下してしまうとのことで、たしかに仕事ばかりしているとメンタル的にもキツいですし、趣味や創作活動なんかのことも考えてられないので、これはその通りだなといった感じですね。

暇が経済を回す

次に「暇が経済を回す」ということなんですが、ラッセルは、「労働よりも消費が経済を支えている」と考えていて、人々が暇を持つことで趣味や娯楽にお金を使うようになる。その結果、経済が活性化し、新しい雇用が生まれる。しかし長時間労働によって自由な時間がなければ、消費する時間も減って、経済が停滞してしまう。その結果、長時間労働は経済の活性化という面でも悪い影響をもたらすということを言ってるんですね。

労働する人がいないといいサービスや商品も生まれないわけですが、かといって暇がなくなるくらい働くと今度はその商品やサービスを利用する人がいなくなって、結果的に経済が停滞してしまう。ということで、これも確かにその通りだなといった感じですね。

まとめ:過度な労働は人間を不幸にする

ということで、ラッセル「一生懸命働くことが素晴らしい訳がない。労働は人生を破壊する!」ということだったんですが、

 

ということだったんですが、ラッセルが「働くな」と言った理由は、単なる「サボり」を勧めたわけではなくて、働きすぎたら不幸になるから、もっと暇を楽しんで幸福で豊かな人生を送った方がいいよ。ということを言っていたんですね。

 

「よし、これからは暇を楽しもう!」といっても、会社の都合や生活もあるのでなかなか難しいとは思うんですが、今ちょっと働きすぎているなと感じている人は、今よりも働く時間を減らして趣味とか暇を楽しむ生活を心がけてみてはいかがでしょうか?

 

ではまた。